Wednesday 29 August 2012

Le Château - Annex

ノルマンディー旅行から帰ってきたら、ジェリーの納品のアポやら、伝票処理やら、写真の処理やら・・・何かと作業が山積み。
その上、滞在させてもらっていたLe Châteauのペーターおじさんの、箱彫刻作品カタログ作りに没頭中。
どうせ作るなら、おじさんの作品がいくつか出展される、10月頭のBattersea ParkのThe Decorative Fairにカタログを並べようではないか・・・というので、またまた「マキ」が入ってしまった。
この話はまた、そのカタログが出来上がってきたときに詳しく。
そして、先月のParisの博物館写真もまだ残っているんだけれど、それもまた「いつか」ということで・・・、しばらくはノルマンデイーに話は移ります。

今回は写真が仕上がっているので・・・、私たちの滞在していたAnnex(別館)のイメージから。

去年もここに泊まらせてもらっていて、いくつか写真も標本箱に載せていたのだけれど(このページ)、今年の「テーマ」は、去年持っていなかったスーパーワイドレンズ(10mm-22mm)を入手したので、小さな部屋の全体ヴューを撮ること。
アネックスもこじんまりしているので、このスーパーワイドでしか全体像がつかめないのだった。


Le Château - annex - 486
Welcome to Annex...なのだが、実はこの写真は昨年のもの。

Annex in where we stayed
昔の納屋を改造したアネックス、ドアを入ったところがリヴィングスペースとキッチン。
キッチンの奥で、ドアが開いている先が、バスルーム。

Annex
ドアを入ってすぐはこんな風。階段の上がベッド・スペース。

Annex
右に見えるのが入り口ドア。

View
窓からの眺め。天気がよかったので、クッション虫干し中。


写真で見ている分にはまったくわからないのだけれど、去年よりずっと暑い今年の夏は、農場に囲まれたアネックス、どこもかしこも蜘蛛大発生。
先月オランダから、おじさんの友人たちが滞在していたにもかかわらず、しばらく無人になると、あちこち、あっという間に蜘蛛の巣で覆われてしまう。
かくして・・・、到着最初の作業は、大掃除だったのだ・・・。


Annex
階段を上がったベッドルーム。

Annex

Annex
おじさんがエキストラ・ベッドを入れてくれたので、
ここで3人寝られるのだけれど、着いた日が猛暑の夏日。
屋根が焼け付いて、このベッドスペースはとても暑い。
高温の苦手な私には無理で、まだ少しは涼しい、
下のキッチン横デイ・ベッドを自分の寝床に決定。
「ベッドスペースが暑くてたまらん・・・。」とおじさんに愚痴ると、
「じゃあ、外にベッド出して寝る?涼しいよ。」というワイルドな解決策を提案されて・・・、
「あ、いや、結構です。キッチンの横で寝ます。」ということになった。

A bit of reality
理想像をぶち壊す、リアリティー画像、私の巣。またの名をジプシー・キャンプ(笑)。


現実は、蜘蛛のみならず、蝿も大発生。キッチン・ゴミの横で寝ている私に蝿がたかる・・・私はまだ腐っていないのだが・・・。
アンティークな解決方法は、蝿取り紙。いや別に、アンティークなおじさんが持ってたというわけではなくて、Flersに買出しに出かけた友人たちが買ってきてくれた。
この他にも、蚊が出るので蚊取り線香なども買ってきてくれた。いろいろ・・・ノルマンディーでも売っているわけだ。大都会ロンドンでは、ほぼありえない品揃え。


Annex
テラス側からのヴュー。

Foggy morning
猛暑の後は通り雨が来て、翌日は涼しい霧の朝。

Foggy morning
霧の朝の隣の農場。

View to the farmyard
その横の農場では、小麦の刈入れがすんだばかり。

The garden
ここはおじさんの敷地、庭の一部。

Annex
一週間の間、ここが私達の家になるのだった。











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Wednesday 15 August 2012

ノルマンディー旅行に出発

今回は手抜き標本箱で・・・、「ホリデーに出てます」の、お知らせだけ。
先月のパリの写真がまだ残っているんだけれど、標本箱に詰めている時間がないまま、今日からノルマンディーに出発。
今回もドライヴ旅行で、Danaさんや、澤山女史と同行、もちろん最終目的地はペーターおじさんのLe Château。
今回は、澤山さんに車を出してもらって、Danaさんがサブの運転手、私はいつものナビゲーター。
夜ポーツマスからフェリーで出航、翌朝St-Malo(サン・マロ)到着、そこからDinan(ディナン)に下って1泊、翌日はMSMこと、モン・サン・ミシェルを観て、それからシャトーに落ち着く。

ナビの仕事は、旅行前に始まっていて・・・、それはなにかというと、ルートマップを自分で作ること。
 
Drive map - Nomandy

これは、去年のドライブ旅行のときにロンドンで買った、一番詳細なドライブ地図。
なんだけど・・・、これでは目的地最終アプローチがほとんどわからない。
そして、道の乗り換えなども、この地図では解りにくいことが多い。

近頃は、Google mapやGoogle streetなどという文明開化なものがあるので、
そこで、こんなものを作ってみたりするのだった。

Navigator's preparation...

Google mapやGoogle streetをWindows7の「Snip」して、それをPhotoshop上でつぎはぎして、自分で解りやすい地図を作り上げてしまう。
コラージュにして見せているけれど、実はそれぞれがA4サイズにプリントされている。
これを順路通りにクリア・ファイルに入れておく。
全体は大きな既製品マップで見て、このハンドメイド・マップで詳細を見る。

Tomtom(サテライト・ナビ)なんてものの方がずっと「開化」してるのだけど・・・、年にたった一度あるかないかのドライヴ旅行にヨーロッパ大陸カヴァーするTomtomを買うのは、ちょっとバカバカしい。

Normandy Drive map

去年も作った。
去年は初めての大陸ドライヴだったので、念には念を入れて作ったら、思いのほか道は解りやすいものだったので、一度も迷わないで済んだ。

そんなに迷うのがイヤなのかっていうと、そういうわけではないようで・・・単に旅行気分を盛り上げる「予行演習」なのかもしれない。「行く前絵日記」的なるものかも・・・。
地図とか交通機関がすきってのは、やっぱり「鉄ちゃん」傾向の一環なのかな(笑)。

ではでは、来週末にはUKに戻ってくるので、それまでホリデーモードで標本箱もお休みです。
Have a nice summer days!!



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Sunday 12 August 2012

Parisの中の北アフリカ-LA MOSQUEE

パリの話なんだけれど、写真だけ見ていたら、パリだとはきっと思わない。
アルジェリアかチュニジアに飛んでいったような気分になる、そんな、不思議なカフェ・レストランを偶然発見した。
その名もLa Mosquee(ラ・モスケ = モスク)、名前の通り実際にこのカフェ・レストランの裏には、フランスでも最大級のモスクがあるのだ・・・ということは、後でネットで調べてみて始めて分かったこと。

フランスはアルジェリア・チュニジア等、北アフリカ地域を植民地に持っていたので、この地域とは縁が深い。
第一次世界大戦中に、フランス帝国の名の元にドイツ軍と戦って戦死した、10万人以上の北アフリカ・ムスリム軽歩兵を追悼して、1926年に時の大統領Gaston Doumergue(ガストン・ドゥメルグ)によって設立されたもの。
第二次世界大戦中は、ナチス・ドイツ軍占領下のパリで、ユダヤ人がホロコーストから逃れるための、秘匿避難所としても機能していたとか。そして、偽造ムスリム証明書を発行しては、ユダヤ人がムスリムを装って、海外脱出するための援助をしていたらしい。
その後の政治的展開から、現在に至るまで、ムスリムVSユダヤ抗争のイメージしか持たない中で、印象的な歴史エピソードともいえる。



Mosquee de Paris
カフェ部の内装は、ここはもうパリではない・・・。

Mosquee de Paris
最初、偶然通りかかって見かけた入り口。
ぱっと見、高級中華料理レストラン・・・と思い込んでいた。(この門の屋根の感じ!!)
高級そうなので、まず表のメニューをチェック。
そうしたら、Tajine(タジン)の表記があったので、北アフリカ料理と判明。
この時はランチを食べた後だったので、カフェに入ることにした。

Mosquee de Paris
気持ちのいい中庭もカフェ部だったので、ここの一角に席をとる。

Mosquee de Paris
通り雨が来ても大丈夫なように、この屋根付きの椅子に座る。

Mosquee de Paris
ここの天井はこんな風。
北アフリカの様式はどことなくビザンティン様式と繋がっていて、
私としては、とても和んでしまう。

Mosquee de Paris
建物の入り口のところに、北アフリカ式ケーキ類のケースがある。
ここでお菓子を選んで買って、席に着いたら、
いやおうなくデフォルトのミントティーがサーヴされる。
これが、はんなり甘くて、適温でとても美味しい。
ケーキも甘すぎず、どことなく素朴で懐かしい味、なかなかいける。

ここに、Hammam(ハマム)のサインが出ているように、ここのお菓子ケースの左側が、
ハマム(蒸し風呂)への入り口。
月・水・木・土 10AM~9PMと、金 2PM~9PM が女性専用。
火 2PM~9PM と、日 10AM~9PMが男性専用。
お菓子とお茶+石鹸+タオル・ローブ貸+30分マッサージ込みで48ユーロ(£38)。
今度パリに来るときは、ハマム用に水着持参を決意^^。
英語はほとんど通じないらしいとか、マッサージ師女性にティップを渡すこと、とか、
このハマムに入ってみた女性の、詳細なレポートは、英文だけど<このページ>。

Sparrow - Mosquee de Paris
カフェに座って、お菓子を少し砕いて、スズメ達におすそ分け。(手は同行のDanaさんの手)
イスタンブールでもそうだったが、動物に対するムスリムの感覚は少しだけ、
仏教徒に似ているところがあるのかもしれない。
「施し」の感覚があって、野良犬や野良猫が、「地域犬」や「地域猫」として、
だれかれともなく餌をもらって、可愛がられて機嫌よく共存している。
開祖モハメッド先生が、無類の猫好きだったそうで、
(レクチャーに行く時間なのにローブの袖の上に愛猫が寝ていたので、
起こすのがいたたまれず、袖を鋏で切って着て行った・・・という逸話あり。)
猫はとりわけ、いい待遇を受けている。
ここでも、残り物にありつきに来るスズメ達は、追っ払われることもない。

Mosquee de Paris
テラスのタイル。

Mosquee de Paris
で、ここのカフェが気に入ってしまったので、
また近くのムフタール市場に来たついでに、今度はランチに来てみた。
この奥がレストラン部。

Mosquee de Paris
ここもエキゾティック、

Mosquee de Paris
な、インテリア。

Mosquee de Paris
天井がいちいち派手。

Mosquee de Paris
照明も・・・。

Mosquee de Paris
出てきたラム・タジン・・・これが、肉がとろけるようで、最高。

Sparrow - Mosquee de Paris
レストランの中でも、スズメ達はお相伴を許されている。
クスクスまみれになって、幸せなスズメ達。
一緒に食べるのはちょっと・・・というお客さんは、自分でスズメを追っ払えばいい。

Mosquee de Paris
デザートのアイスクリームを、Danaさんとシェア。

Mosquee de Paris
シメは名物ミントティー。

Mosquee de Paris
おじさんが名人芸でサーヴしてくれる。
こうして入れると、ちょうど飲みやすい適温になるのだった。


ここで食べているときの、大きな疑問。「一体ここはモロッコ料理なのか、トルコ料理なのか!?」
このミントティーの入れ方や、お菓子やハマムはトルコ式。で、タジンは明らかにモロッコ料理。
ロンドンにいると、トルコ料理かモロッコ料理のどちらかなので、そのどっちか?の発想になる。
あのあたり、我々は知りもしない「いがみあい」がありかねないので、おっかなくって「どっちなの?」と尋ねる勇気がなかった(笑)。
後で調べてみたら、フランスにもっとも馴染み深いのはアルジェリア・チュニジアで、だからここはアルジェリア・チュニジア料理、一言でいえば北アフリカ料理ということになる、と判った。
トルコとも、離れてはいるが、ムスリム文化で繋がっていて、ハマムやミント・ティーなど共通のものもあるということのよう。
ムスリム以前の世界観で生きている私の目には、どこもビザンティン文明なんだけどな・・・(笑)。



La Mosquee(ラ・モスケ )
39 rue Geoffroy Saint-Hilaire 75005 Paris

地図:

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Thursday 9 August 2012

Parisの街-Galerie Vivienne アーケード

パリ話の続きで、今回はフォトジェニックなアーケード、Galerie Vivienne

私的になぜだかアーケード好き。もちろん、19世紀の様式、というのが前提条件だが。
19世紀の産業革命で、ヨーロッパの建造物に鉄骨構造が取り入れられるようになってから、もっとも特徴的なのが、そこにガラスをはめ込んだ、「温室」のような構造物。
最たるものは、残念ながら現存しないのだけれど、ロンドンのクリスタル・パレス
ロンドンのキューガーデンズの温室は、現存する例の一つ。
また、その名残は、ロンドン・パリ他ヨーロッパの諸都市に残された、19世紀のアーケードにも垣間見られる・・・というのが、アーケード好きの要因なのかもしれない。

ロンドンにもピカデリー/メイフェア界隈に、2-3アーケードが現存しているが、エレガントな建築様式では、Parisのアーケードが秀逸。
今回、旅行出発直前に、このアーケードの情報を発見して、急遽目的地の一つに加えることにした。



Galerie Vivienne
これがGalerie Vivienne(ギャラリ・ヴィヴィエン)の入り口の一つ。
パレ・ロワイヤルの北側の通り、Rue des Petits Champsに面している。

Galerie Vivienne - Bistrot Vivienne
入り口の両サイドは雰囲気のステキなビストロ。
お値段を拝見したが、ちょっと敷居が高かったので、写真を撮っただけ(笑)。

Galerie Vivienne
そのカフェ部の方。

Galerie Vivienne
ブティック、ギャラリー、雑貨ショップなどが営業中。

Galerie Vivienne
中央のドーム部、

Galerie Vivienne
から、右に折れる通路を見たところ。
この左にあるポットの中で・・・、

Isla - Gallery Cat
寝ていた、前のギャラリーの猫を発見。
シャッター音で目を覚まして「なんぞ?」の迷惑顔。

Galerie Vivienne
ゲーブルの装飾と時計・・・時間はぜんぜん合っていない。

Galerie Vivienne - Book shop
一番奥で左に通路は折れる。その角にある古書店。

Galerie Vivienne - Book shop
が、なんともフォトジェニック。

Galerie Vivienne
ランタンと装飾レリーフのディティール。

Galerie Vivienne - Antiques shop
その向かいに合った、アンティーク屋。夕方5時を過ぎていたので、閉まっていた。
開いていたら吸い寄せられて、何か買ってしまったに違いない。危険、危険。

Galerie Vivienne
上階が事務所や住居になっている様で、階段をのぞき見ることができる。
コンチネンタル特有の、大きく優美な螺旋階段。

Galerie Vivienne - collage
が、きれいに撮れたので、ついレイヤー加工して雰囲気を盛り上げる。

Shadow
(出)入り口のファサ-ドの影。

Reflection
前回の標本箱のプリントショップは、この(出)入り口の角にある。
外に面したウィンドウ。
反対側の角はJPゴルチェのブティック。

Galerie Colbert
このGalerie Vivienneの西隣にもう一つ同時期のアーケードがある。
Galerie Colbert(ギャラリ・コルベール)。
建造同時はヴィヴィエンと繋がったアーケードだったのだろうが、現在は中では繋がっていなくて、
ここの敷地の大半は、ソルボンヌ大学の設備として使われているよう。
一般人でも入ってかまわない。

Galerie Colbert
その中で、一軒だけビストロが現在も営業中。

Galerie Colbert
一番先のドーム部。

Galerie Colbert
その、彫刻と、

Galerie Colbert
装飾レリーフのディティール。

Galerie Vivienne

地図:

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