Tuesday 27 May 2014

The Decorative Fair (デコラティヴ・フェア)2014春フェア -2-


また恒例の、日本雑誌取材ツアー期間に入っていて、なかなか更新ままならず・・・。
とにかく、The Decorative Fair (デコラティヴ・フェア)レポートの2回目を。

David Levi
David Levi
(多分)初参加のディーラーさん。
引出チェストがインパクト。

David Levi
David Levi
特にこれは、工場か荒物屋さんで、工具が建材のパーツ・・・
か何かが収納されていたもののよう。
インダストリアルな色合いの、ばらばらの引出に、
入れているものの歴代スティッカーが貼られていて、
でも全体に古びたらいい風合いに。

David Levi
David Levi
18世紀の教会装飾エンジェルに、70年代ガラス器。
このエクレクティックさは、まさしくこのフェアの面白さ。

Palmer antiques ltd.
Palmer antiques ltd.
ここも、色々なテイストのものが詰め込まれたブース。

Palmer antiques ltd.
Palmer antiques ltd.
一つ一つよく見るとかなり面白いアイテムが揃っている。
掘り出し物感覚のブース。

Maison Artefact
Maison Artefact
ここは常連、ヴィッキーのブース。
毎回安定して、趣味のいい、フェミニンなフレンチ・テイスト。

Maison Artefact
Maison Artefact
彼女の爽やかなスタイルは、春フェアによくお似合い。

Maison Artefact
Maison Artefact
毎回ステキなシャンデリアが、次々登場。

Fontaine
Fontaine
ここも常連のフォンテーヌ。
マスキュリンだけれど、バラエティの多さで、さまざまなテイストに対応している。

Fontaine
Fontaine
18世紀の宗教フィギュアは、Santo(サント)とかSantos(サントス)と呼ばれていて、
カソリック教国からのアンティーク。
本来は装飾的な「ご衣裳」を着せて、奉納されるものだけれど、
現在のUKでは、そのもの自体の素朴でシンプルな造形美の、
彫刻としての価値で評価されている。

Fontaine
Fontaine
サントスの極み、マリア母さん達を、繊細なガラス器とともに、
ハードなインダストリアル系テーブルにディスプレイ。

Fontaine
Fontaine
19世紀前半かな? 表情がえもいえず美しい。

Fontaine
Fontaine
このディスプレイの中心になっているのも、教会の装飾(奉納)物。
ブリキで作られた花に、ペイントが施されている。
こういうのは多分・・・フランス製かと。

Josephine Ryan Antiques
Josephine Ryan Antiques
おなじみのジョセフィーヌのブース。
ぶら下がっているウサギ君は、肉屋のディスプレイ用の剥製。

Josephine Ryan Antiques
Josephine Ryan Antiques
額絵は、カトリックでStations of the Cross(十字架の道行き)に使われたもの。

Josephine Ryan Antiques
Josephine Ryan Antiques
チューリップやら、白オニオンやら、

Josephine Ryan Antiques
Josephine Ryan Antiques
ディスプレイの意外性は彼女ならでは。

Drew Pritchard
Drew Pritchard
今回おなじみのアレックスが、フェアをお休み(お母さんの誕生日大パーティーがあったそうで)。
そこを埋めるように目に付いたのが、このウェールズのディーラーさん。

Drew Pritchard
Drew Pritchard
インダストリアル、マスキュリンなテイスト。

Appley Hoare
Appley Hoare
いつものアプリーのブース。
壁にかかっていた絵画がペアで売れて、「壁(のディスプレイ)に穴開いてるのよ・・・。」

Appley Hoare
Appley Hoare
典型的なフレンチ・セクレタリー・キャビネット。

Martin D Johnson Antiques Ltd
Martin D Johnson Antiques Ltd
トリは、ここもいつもクールなプレゼンテーションの、マーティン・D・ジョンソン。
サンゴのコレクションは、セット販売だそう。
でも、これ全部で2000ポンドは安いかも。
プラスターの翼のシリーズは、現代のリプロ。
グラスのディスプレードームにアレンジするセンスが最高・・・。

Martin D Johnson Antiques Ltd
Martin D Johnson Antiques Ltd
後ろの棚の上のダチョウ卵のディスプレイにも興味深々・・・^^。

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デコラティヴ・フェアの次回の開催は、2014年 9月 30~10月5日。

チケットを持たずに出かけると、(原則的に)入り口で£10をチャージされる。
しかし、入場料を払って入る人はまれで、<この頁>で登録すれば送られてくる、
入場無料E-メールをプリントアウトして持っていけば無料。
何枚でもプリントアウトして、持っていってかまわない。

the Decorative Fair
Battersea Park, London
late January, late April and early October.



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そんなわけで・・・、しばらく6月前半まで出たり入ったり、撮影に奔走なので、しばらく標本箱はお休みモード。
また6月10日ごろから、フィレンチェ話で復帰予定ですよ。




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Thursday 22 May 2014

The Decorative Fair (デコラティヴ・フェア)2014春フェア -1-

毎度恒例の、The Decorative Fair (デコラティヴ・フェア)レポートを2回に分けて、今回は、4月末から5月頭にかけての春フェアのイメージを。

The Decorative Fair - Spring 2014
春フェアらしく、明るい自然風のコーディネートが目に付く。

The Decorative Fair - Spring 2014
常連メンバーがお休みしていたり、また、新しいディーラーが入ってきたり、
ちょっと入れ替わりの動きが目に付いた、今回のフェア。

M. Charpentier
M. Charpentier
ここは常連メンバーの、カミラのブース。

M. Charpentier
M. Charpentier
ブースの中で御威光を放っているこのミラー。
元々は、カトリック教会の装飾パネルだったそう。

M. Charpentier
M. Charpentier
春らしい^^。

Gaby van Schagen
Gaby van Schagen
オランダから連続参加のギャビーのブース。
近年は、ペーターおじさん、自らフェアでブースを取って参加してしまうため、
ギャビーがフェアに持ってくることはなくなってしまった。
ちょっと残念。

Gaby van Schagen
Gaby van Schagen
今回のメイン・フィーチャーは、アールデコ風の、巨大ステンドグラス。

Nick Jones
Nick Jones
常連のギャラリー1930のニックさん、新しくショップをチャーチ・ストリートにOpen。
(34 Church Street, London NW8 8EP)
ショップ名がNick Jonesになったので、今回からは新ショップ名で参加。
生成りのコーディネートが爽やか。

Nick Jones
Nick Jones
クリーム色の革スーツケースがこれだけ揃うと、とても印象的。

Nick Jones
Nick Jones
内緒話する犬たち。

Andrew Collier Antiques
Andrew Collier Antiques
毎回充実のアンドリューさんのブース。
いつもここはお客さんでいっぱいなので、
この中の全体像を撮ることがほとんどできなかった。
今回たまたま、一瞬すいたので、すかさず撮影。

Egyptian themed display
今回最大の謎、これはなんぞ・・・?

Egyptian themed display
エジプト風のテント(タペストリー?)の中に、
エジプト~オリエンタル風のコーディネート。
出展者名がフェアの案内には載っていなくて、事情は不明。
キャンセルになったスペースに、エジプト・テーマで
何件かのディーラーで持ち寄りコーディネートしている?
と、これは、あくまでも想像。

Egyptian themed display
それでも、なかなかエキゾティックで、面白い。

Gary Wallis
Gary Wallis
レトロなバイクが渋い。

Gary Wallis
Gary Wallis
基本はフレンチ・シックなのに、
このバイク一つで、フェミニンな甘さがなくなる。

Alston and Ashton
Alston and Ashton
ネオ・クラシカルとナチュラル感が微妙に交錯する。

Patricia Harvey
Patricia Harvey
ここはいつでも入り口を入った真正面で、
良質でフェミニンな、フレンチ・シックを展開している。

いつものごとく・・・写真撮りすぎ、なので、次回も続きますよ。

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デコラティヴ・フェアの次回の開催は、2014年 9月 30~10月5日。

チケットを持たずに出かけると、(原則的に)入り口で£10をチャージされる。
しかし、入場料を払って入る人はまれで、<この頁>で登録すれば送られてくる、
入場無料E-メールをプリントアウトして持っていけば無料。
何枚でもプリントアウトして、持っていってかまわない。

the Decorative Fair
Battersea Park, London
late January, late April and early October.



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Monday 19 May 2014

Santo Spirito Museo (サン・スピリト博物館)

モバイル用、
Bloggerバージョン
Mobile version on Blogger:
http://kotomicreations.blogspot.co.uk


前回のサン・スピリト・マーケットからそのまま引き続いて、そのマーケット広場に面している、Santo Spirito Museo (サン・スピリト博物館)の話を。
マーケットをぶらぶら見ていたら、カンカン照りのいいお天気が、強風とともに一変して通り雨に。
あんまり天気がよかったので、傘を持って出かけていないウチの一行は、このミュージアムに駆け込む、つまり雨宿り目的だった。
入ってみたら、一部屋だけで小さいけれどロマネスクやゴシック彫刻やら、フレスコ壁画の残された、地味ながらなかなか落ち着けるミュージアムだった。

Santo Spirito Museo - Fondazione Salvatore Romano
入り口を入った側からのヴュー。14世紀ゴシック様式の建物。

そもそもは、隣に建っているサン・スピリト教会に併設して建てられた、アウグスティノ会修道院集合建造物の、食堂部として建造された。現在では、この建物が唯一、建造時14世紀のままの状態を保っている。
ミュージアムの正式名称はFondazione Salvatore Romano(サルヴァトーレ・ロマノ財団)で、古物収集家、サルヴァトーレ・ロマノ氏が1946年に、市に寄贈した彫刻・絵画・装飾家具などが、ここの収蔵物の中核をなしているため、こう呼ばれている。

Santo Spirito Museo - Fondazione Salvatore Romano
反対側のヴュー。右奥に見えるのが入り口。

Santo Spirito Museo - Fondazione Salvatore Romano
建物の中外関係なく、どこでも壁があったら、フレスコ画・・・状態。
この磔刑画は、14世紀のAndrea Orcagna (アンドレア・オルカーニャ)によるもの。

Santo Spirito Museo - Fondazione Salvatore Romano
その下の「最後の晩餐」。
「この中に私を裏切るものがいる・・云々」のジーザス先生の話に、
「げっ、なんですと!!」という感じが、よく現れている弟子達。

Santo Spirito Museo - Fondazione Salvatore Romano
磔刑画フレスコの下に展示されている、Virgin of Mercy(慈悲の聖母)。
衆生をそのマントで覆い庇護する、
マリア母さまの慈悲の側面を表現するこの様式は、
13-16世紀のイタリアの典型なのだそう。

Santo Spirito Museo - Fondazione Salvatore Romano
ちびっ子ジーザスをしょっているので、St Christopher(聖クリストファー)。
しかし、ぶらぶら見てまわっていたので、
全然詳細を抑えてこなかったので、いつの誰の作かは不明。
この後、大半そんな状態・・・。

Santo Spirito Museo - Fondazione Salvatore Romano
このフレスコ磔刑図も、中世からルネッサンスへの過渡期。

Santo Spirito Museo - Fondazione Salvatore RomanoSanto Spirito Museo - Fondazione Salvatore Romano
なので・・・、君ら、本当に泣いている?笑ってないか?
と、問いただしそうになる、この描写力・・・。

Santo Spirito Museo - Fondazione Salvatore Romano
この聖母子像は、ルネッサンス期に入ってからのもの。
フレーム両サイドの装飾も、とてもルネッサンス的。
Jacopo della Quercia(ヤコポ・デッラ・クエルチャ)
の工房のものと考えられている。

Santo Spirito Museo - Fondazione Salvatore Romano
このレリーフの断片は、Donatello(ドナテッロ)によるもの。
ゴールドや緑のエナメル釉薬が、部分的にまだ残っている。
製作当時は華やかな色合いだったことが想像される。

Santo Spirito Museo - Fondazione Salvatore Romano
残された着彩を、拡大鏡持参で観察する配偶者氏、
を、チビ・カメラで撮影するエイドリアン師匠
をまた、撮影する私。

Santo Spirito Museo - Fondazione Salvatore Romano
きれいな造形の、ドラゴン/ガーゴイルも・・・誰か、
初期ルネッサンスの彫刻家のものだったと思うけれど、
検索しきれなかった。

Santo Spirito Museo - Fondazione Salvatore Romano
部屋の真ん中に、すえられているのは石棺。

Santo Spirito Museo - Fondazione Salvatore Romano
ライオンのモチーフ。

Santo Spirito Museo - Fondazione Salvatore Romano
フィレンツェの紋章が、
Marzocco(マルゾッコ)と呼ばれるライオンだからだろうけれど、
ライオンのモチーフの彫刻が色々収蔵されている。
これはロマネスク?か中世か?
「ぴゃ~」と何かを要求している猫みたい。

Santo Spirito Museo - Fondazione Salvatore Romano
これは、12世紀だったかな・・・。
もう、何の生き物かよくわからない(笑)。

Santo Spirito Museo - Fondazione Salvatore Romano
びっくり顔。

Santo Spirito Museo - Fondazione Salvatore Romano
これは、かなりよくできているけれど、
これはネコ科の動物ではなく・・・、
作者、ハウンド系の犬をモデルにしたと思われる。
ち・・違う、ネコ科の骨格とは違うんだ・・・。

Santo Spirito Museo - Fondazione Salvatore Romano
ルネッサンス盛期の家具の装飾部。
素朴な感じが北ヨーロッパを思わせるけれど、実はイタリア製。
イタリア・ルネッサンス盛期でも、家具職人の手は、
意外と素朴だったりもするもんだな・・・と思った一品。



Santo Spirito Museo (サン・スピリト博物館)
Fondazione Salvatore Romano(サルヴァトーレ・ロマノ財団)
P.zza S.Spirito 29

開館: 土・日・月曜 10:00am~4:00pm
ニューイヤーズ・デイ、イースター・サンデー、
5月1日、8月15日、クリスマスは閉館。

地図:

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フィレンチェの教会、ミュージアム話はこれから本格化・・・なのだけれど、その前に一度、ロンドンに戻って、先日訪れた(常連)Decorative Fair(デコラティヴ・フェア)のイメージをまず、次回はご紹介することに。




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