Sunday 27 November 2016

クリスマス・プレゼント企画 - 2016

あー、もうあと1か月もしないうちにクリスマスなんだぁ・・・と、ため息が出る気分。
月日の経つのが、年々信じられないぐらい速くなっていくのは、自分の年齢のなせる業なのかなぁ。ともあれ、確実にクリスマスは近づいてきている。
隠者共同体のウチは、クリスマス前後に何をするわけでもなく、ほぼ日常と変わりなく過ごしているのだけど、恒例の「対ノルマンディー・チーム・クリスマス・プレゼント企画」は、夏のル・シャトー・ホリデーの終わった9月から、なんとなく脳裏の片隅で考え続けている。
なにしろ、11月初めにペーターおじさんの、デジタル・バースデーカード送り、というのがあるので(そして、そのネタを使って、フィジカルな実物アイテムを作って、それがクリスマスプレゼントになる・・・という段取り)、10月後半にはネタ出しできてないといかんわけです。
2014年の「デルフトもどき」、2015年の「モドキ18世紀絵画」と、ヒットを出せば出すほど、その次のハードルを自分で引き揚げてしまっている・・・という、事実がちょっと辛い(企画デザイン業を営んでいた頃も、よくこのジレンマを実感した・・・笑)。
ま、仕事じゃないんだし、お気楽に~なんだけれども。

今年は、というか、今年も、プシャをネタにするのが一番無難で、可愛かろうというので、なんとなく「長靴をはいた猫」的な・・・というイメージがあって、Netでネタをいろいろとサーチしていた。で、見つけたのがこれ。
puss in boots
Source: Wiki Common
「長靴をはいた猫」そして、18世紀的なるコスチューム。
(描かれてるのは19世紀中ごろのようだけれど。)
元ネタはこれで決まり。

で?何を最終的に作るのかというと、<こんな>会社を見つけた。 なんとも、今どきは何でもカスタマイズでプリント出来るのだな。
Pおじさん達が使いそうなもので、あまりかさばらなくて送りやすい・・・とか考えると、<ティータオル>を作ってみることにした。
これは、サイズが70x50㎝なので、この元ネタではサイズが全然小さいので、これを拡大トレースしてから描き起こし。(この手の作業はすべてPhotoshopにて。)

poesje-face
今年撮ったプシャの正面顔を使う。

le chateau
19世紀のル・シャトーの写真も、
背景に合成する。

で、まずはバースデーカードの出来上がり。

peter-birthday-card
プシャ―の顔が、ぴったりハマって、可愛すぎ~~♡
これは、今年はプリントアウトして、カードに仕立てて、
ナミュールでお誕生日だったPおじさんに手渡し。
大うけじゃないけど、けっこう嬉しそうだった。

これをこのまま、ハッピー・クリスマスに文字を変えたり、クリスマスツリーを立てたりしてもよかったのだけど、相手がPおじさんなので、なにかこう・・・、もっと皮肉というか、オチョクリをカマしたいところ。
これはもう、Pおじさんに登場してもらうしかないでしょう。

Peter-original
夏に撮った、アランさんと話しているPおじさんの写真が、
用途にぴったり。

で、あれこれやって・・・出来上がったのが、このイメージ。

Peter tea towel
「サリ・ラ・ヴァレリー、真の城主、プシャ2世」

ル・シャトーは正式には、「サリ・ラ・ヴァレリーのル・シャトー」と呼ばれる。プシャ2世というのは、2012年に大往生した、先代プシャが1世ということにしている。
右端におじさんがいるのだけれど、18世紀の百姓風(想像だけど・・・)コスチュームを着せて、「と、その庭師」の肩書。
そう、真の城主はプシャで、Pおじさんはそこの庭師(あるいは管理人!?)というのは、猫と暮らしていると事実となる(笑)。

さて、次はドライヴ担当のティエリー氏ネタ。椅子マニアの氏には、これはもう、唯々椅子ネタしかないでしょう。

chairs
こんな感じで、ネットなどで探してきた18世紀の椅子のイメージを、
スケッチ風に加工していって、それらをコラージュ。

Thierry chair tea towel
できあがり~。

JACOB D R MESLEEなどのサインは、18-19世紀のパリのファニチャー・メーカーで、ティエリー氏のような椅子マニアは、この刻印の入った椅子を追い求めている・・・のだった。 本物の椅子はプレゼントできないので、せめてイメージで、ね(笑)。

この画像を、上のリンクの Bags of Love にアップロードして、オーダーしたら、翌日には発送案内が届いて、翌々日には完成品が届いた。激速い!!UKでオーダーしたら、なんでも遅くて不便・・・というのはすでに前世紀の話。イギリスもどんどん便利になっていく^^。
そして、仕上がりは上々。ディティールまで鮮明にプリントされているし、色あせた風に設定しているカラーも、正確に再現されている。テクノロジーの進化に驚いた。

そして、届いたティータオル達と、フォートナム&メイソンのビスケットのプレゼント。

Christmas present for Peter
ナミュールで、恒例の「ダブルチョコレート・ビスケット」は、
もう(食べ味が)重いから、いらん・・・と宣言されたので、
フォートナム&メイソンの建物型缶入り、
オルゴール付きビスケット詰め合わせ。
これなら、大丈夫かな?

Poesje close up
あ~ん、プシャ可愛い~萌え~(笑)。
結局、ウチにも、Danaさんからもオーダーが入って、
3枚作ることになった。

Peter close up
立派に庭師になったおじさん。

Christmas present for Thierry
こちらはティエリー氏の椅子ヴァージョン。
これも中々ステキかもー、と、自画絶賛するのだった。

そんなわけで、今年もクリスマス企画、
無事に出来上がってきた。
あとは、パッキングして送り出すだけ^^。




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Thursday 24 November 2016

Namur ~ Brussels(ナミュール~ブラッセル)滞在ダイジェスト-モバイル写真版。

またまた、次シーズン・ジュエリーの作りこみ、毎月の仕込みデッドラインが迫ってきていて、写真のポストプロセスが完全にストップ。
やむなく、今回はモバイル写真版で、ナミュール~ブラッセルズ滞在のダイジェスト話をば・・・。

IMG_20161111_090906
ナミュールの町の真ん中で、たそがれ時に。
ハイストリートには、あちこちに
Antica(アンティカ)展のバナーがかかっている。

IMG_20161111_135459
そのアンティカ展、Pおじさん以外のスタンドで、
目にとまったブースをいくつか。
ここの16-17世紀の木彫像はミュージアム級。

IMG_20161111_091807
この象嵌キャビネットも、すごいわ・・・。

IMG_20161111_091320
で、個人的には、こういう感じのラスティック(カントリー風の)
なテクスチャーのあるアンティークの方が好きなのだけれど
(Pおじさんの作品もこういうテイストだし)、
これはこのフェアでは、マイノリティーな方。

IMG_20161111_091609

IMG_20161111_135645
その、どちらかといえば(ここでは)
安いゾーンにあたるモノに、興味が行く。

IMG_20161111_135840
一番そそられたのが、これ、サントスの頭達。
10個と後ろにもう一つの計11個で3000ユーロのお値段。
きっぱり、手が出ませんよ・・・(笑)。

IMG_20161113_155043
で、悔しいので、ナミュールのMusée des Arts Anciens(古代博物館)
に写真を撮りに行く。

ナミュールの町の愚痴。
ここには3つの博物館/美術館があるのに、
2館が改装閉館(で、開館の目途が立っていないらしい)。
ここしか開いていない。
その上、カソリックの国なのに教会が公開されていない。
(通常カソリック教会は、信徒がいつでも告解しに来れるように、
扉を開いているのが原則・・・と思っていた。)
なにかとちょっと、面白くない町だったことは確か。

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ここだけでも開いていてよかったよ・・・。
15世紀の受胎告知しに来たガブリエル君の板絵。

IMG_20161115_134647
その、ちょっと不満~な、ナミュールの町、
を、見下ろしているのは、Citadelle(シタデル=要塞)と呼ばれる、
丘の上の城の跡地から。

IMG_20161115_134016
Meuse(ムーズ)とSambre(サンブラ)川が、
合流する三角地帯の、丘の上の砦。
一番上に見える旗のあたりまで登った。

IMG_20161114_075201
Brasserie François(ブラッセリ―・フランソワーズ)で、
Pおじさんやら、アムスから見に来てくれた友人の、
ヒルダさん、コーさん達と食事したのは、楽しかったな。

IMG_20161112_212530
土曜日は電車で一時間少しかけて、
(あーもう、電車がキャンセルになったり、
遅れたりで、散々だったけど・・・)
ブラッセルにマーケットを見に行く。
ジャンク系のMarolles Flea Market(マロール・フリー・マーケット)
では、オブジェ材料の仕入れ。
って・・・作ってる暇が近ごろないのに、材料ばっかり買っている。

IMG_20161112_213601
その後は、アンティーク、ヴィンテージ、インテリア系の、
店がかたまっているRue Blaes(ブレス通り)を散策。

IMG_20161113_103044
一番大規模な、アンティーク・センター
Passage 125 Blaesへ。

IMG_20161112_213046
その最上階の一角。
ただ単に在庫してるんだか、
インスタレーション・アートのつもりなんだか、意図は不明。

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ヴィンテージ・レトロ系のインテリア雑貨。

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アンティーク風のリプロ(だと思う)のハンドル専門店。

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ブラブラしていたら、あっという間に日が傾いてきた。

IMG_20161115_154414
最終日もブラッセルに出て、中央駅のコインロッカーに荷物を突っ込んで、
夕方のユーロスター便までの間、
Musée Oldmasters Museum(古典美術館)へ。
Fin-de-Sièclemuseum(世紀末美術館)と、
Musée Magritte (マグリット美術館)との
3館コンバイン・チケットを買ったのに、
時間配分を完全に間違えて、オールドマスターズに入り浸り、
昔好きだった、世紀末美術館の部分はもう、写真撮り逃げ状態。
また行かねば・・・と思った。

IMG_20161115_154600
オールドマスターズでも、好きなのは結局こんな風な、
パラノイア的描きこみの説明的絵画だったりする・・・。
Jan Baptist Bonnecroy 描く、17世紀のブラッセル。

IMG_20161115_154952
芸大生の頃好きだったKhnopff(クノップフ)

IMG_20161115_183026
そろそろ、荷物を引き上げて、
ブラッセル南駅に移動した方がいいな・・・の4時半ごろ、
Jardin du Mont des Arts(モン・デ・ザール・ガーデン)を抜けて、
ブラッセル中央駅に戻る。
この日もまた、どんより曇天の霧っぽい一日だった。






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Sunday 20 November 2016

Antica展- Peter Gabriëlseの箱彫刻

今回は先週末撮影に行っていた、ベルギー、Namur(ナミュール)のAntica(アンティカ)展での、ペーターおじさんの新作を中心に。

Box sculpture by Peter Gabriëlse exhibited at Antica, Namur 2016
このフェアは3月参加のMechelen(メヘレン)
Eurantica(ユーランティカ)展と同じ主催組織。
ナミュールのアンティカ展の方が歴史が古いそうで、
今回は40周年記念。
おじさんのブースはメヘレンより少し間口が狭い。

Box sculpture by Peter Gabriëlse exhibited at Antica, Namur 2016
今回は展示作品23点のうち、1/3の8点が新作。
なかなか、力が入っている。

その新作の数々が以下に。

B139 - Peter Gabriëlse- box sculpture, new work at Antica, Namur 2016
B139 55 x 38 x 15 cm
金箔貼りのオーナメントの断片に合わせて、
金と鈍い赤のコントラストを生かした作品。

B139 - Peter Gabriëlse- box sculpture, new work at Antica, Namur 2016
ディティール。


B140 - Peter Gabriëlse- box sculpture, new work at Antica, Namur 2016
B140 71 x 45 x 14 cm
チョコレートっぽい色味の、図書室箱。

B140 - Peter Gabriëlse- box sculpture, new work at Antica, Namur 2016
デティールが細かくて、吸い込まれるように見入ってしまう。

B140 - Peter Gabriëlse- box sculpture, new work at Antica, Namur 2016
いつでも図書室箱は人気で、
今回も真っ先に売れて行ってしまった。


B141 - Peter Gabriëlse- box sculpture, new work at Antica, Namur 2016
B141 79 x 64 x 17 cm
鮮やかなブルーに彩色されたゴシック装飾の
見事なこの箱は、扉が閉じるようになっている。

B141 - Peter Gabriëlse- box sculpture, new work at Antica, Namur 2016
扉を閉じると、普通の古風なキャビネット。
中に部屋ができあがっているとは想像もつかない。

B141 - Peter Gabriëlse- box sculpture, new work at Antica, Namur 2016
その中には、階段とテーブルと、小さなジーザス先生。
教会のバックルームの様。


B142 - Peter Gabriëlse- box sculpture, new work at Antica, Namur 2016
B142 85 x 57 x 17 cm
豪華なバロック装飾のフレームの中には、
木製の重たげな緞帳と、小さなステージ。

B142 - Peter Gabriëlse- box sculpture, new work at Antica, Namur 2016
側面に貼られたテクスチャーの入った鏡が、
スポットライトを微妙に反射している。


B143 - Peter Gabriëlse- box sculpture, new work at Antica, Namur 2016
B143 88 x 51 x 14 cm
窓とテーブルと階段のあるグレイの箱。

B143 - Peter Gabriëlse- box sculpture, new work at Antica, Namur 2016
階段の上にも本が散らばっている。


B144 - Peter Gabriëlse- box sculpture, new work at Antica, Namur 2016
B144 60 x 30 x 11 cm
箱の上半分のイガイガは、ウールを作るのに
羊毛を梳く作業で使われたもの。
その過激(?)なテクスチャーの下には、
和やかな音楽室の風景。

B144 - Peter Gabriëlse- box sculpture, new work at Antica, Namur 2016


B145 - Peter Gabriëlse- box sculpture, new work at Antica, Namur 2016
B145 44 x 40 x 14 cm
古いテクスチャーの入ったミラーで作られた部屋とフレーム。

B145 - Peter Gabriëlse- box sculpture, new work at Antica, Namur 2016
古い鏡が好きなので、この作品は私のお気に入りの一つ。


B146 - Peter Gabriëlse- box sculpture, new work at Antica, Namur 2016
B146 61 x 26 x 11 cm
グレイがかった、水色とクリーム色のコンビネーションの額は、
おじさんの作品では珍しい2トーン。
中に立つ装飾的な柱も、同様の水色とゴールド。
小型だけれど、すらっと背の高いプロポーションがエレガントで、
上のB145とともに目を引いた、チャーミングな作品。
と思ったら、さっそく日本からのコレクターの方から引き合いが入った。

B146 - Peter Gabriëlse- box sculpture, new work at Antica, Namur 2016
鉛風のバロック・エンジェル達も愛らしい。

同じオーガナイザーのフェアなのだけど、フレミッシュ(オランダ)語/文化圏のメヘレンと、フランス語/文化圏のナミュールでは、フェアの印象がどことなく違う。
こちらはメヘレンよりグンと高級度・・・というか、アンティークの本格度が増して、まるでミュージアム級。そして、ややフェミニンで洗練された雰囲気が漂っている。
一方メヘレンの方が、北ヨーロッパらしい男性的で、ラスティックな味わい深いアンティークが主流。
そんなわけで、ペーターおじさんの作風は、どちらかというと、メヘレンの方がフィットしていた感あり。

その、ミュージアム級アート・アンティーク・フェアのオープニング・ガラの様子がYoutubeに上がっていたので、最後におまけヴィデオを(おじさんのブースは写ってないけど・・・笑)。






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